理想の場所へ

 長い間、ぐるぐると同じところを彷徨っているような気がする。僕には、そろそろ変化が必要だ。この虚無の輪を抜け出して、理想の場所へと歩み出すには、少しずつ、少しずつ、何かを変えていくしかない。  決して一足飛びではないこの...

誘いのホール

<背景>老人が落とした大事な歯車が転がっていった先は、壁の穴の中だった。それが参加料とみなされ、彼はネズミの奇術師の謎のイベントに強制参加させられることになるのだが……。  小鳥の指す方へしばらく進んでいくと、霧の...

真紅のバラ

 真っ赤なバラはまだ咲いているか、きっと僕は確かめに来たのだろう。すっかり空白の多くなった円形花壇を、ジグザグに歩いていく。入り組んでいるが、僕にとっては馴染みの道だ。  まばらに残った植物たちがあちらこちらに寄り道を誘...

おかしなダイアル錠

調査対象:太陽の刻印の家報告者:調査員02 —— 報告 —— 入り口のドアは、鍵がかかっているのか開かず。ノブ付近にダイアル錠のような形状のものを発見したため、解錠方法を模索中。 ダイヤルは内側と外側がそれぞれ回せる構造...

水面の模様

 たゆたう水面に、美しい模様が浮かんでいる。僕はそっと近づいて、それを眺めた。不規則に続く曲線に目を這わせていくごとに、心に安らぎが広がっていく。 ・・・ 続きはこちら→note(メンバーシップ限定)