<背景>
老人の大事な歯車が転がっていった先は、壁の穴だった。
それが参加料とみなされ、彼はネズミの奇術師の謎のイベントに強制参加させられることになるのだが……。
「戻っていらっしゃると信じていました。さあ、さっそく箱を開けましょう」
ネズミが小箱に両手をかざしながら、老人の伝えた合言葉を大仰に唱える。すると、上板がバネに弾かれたように跳ね上がり、側面との間に数ミリの隙間ができた。
彼は奇術師らしい仕草で、もったいぶりながら蓋を開ける。中に入っていたのは、一枚の小さな白い羽根だった。老人はそれを見た瞬間、胸がキュッと締め付けられるのを感じた。
「おかしいですね。ここに幸運の鍵を入れておいたはずなんですが」
わざとらしい声色が舞台上を舞う。
「もしかして、小鳥が持っていってしまったのかもしれません。まだ鳥かごに残っていればいいのですが」

ネズミの調子のいいセリフを聞きながら、老人は、自分の手から空に飛び立っていった白い小鳥の後ろ姿を思い出していた。ほんの今朝のことだ。
「歯車を返して欲しいんだ」
彼は意を決して切り出した。
「まあ、そう焦らずに」
「返してくれるのか?」
「……全てやり遂げた後の賞品と交換というのはどうでしょう」
黙り込んだ老人を見て、ネズミは一瞬にして元の調子を取り戻す。
「さあ、幸運の鍵を手に入れてください。この羽根も使えるかもしれないので、お渡ししておきましょう。一つ言えることは、写像の方が真実を語ることもあるものだ、ということです」
窓際にぶら下がる空っぽの鳥かごの前に、老人は立っていた。鍵らしきものは見当たらない。途方に暮れていると、ふと壁に映る鳥かごの影が目に入った。それは、みるみるうちに形を変え、謎めいた模様を形成した。

<問題>
法則に合っていない箇所は?
<ヒント>
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上下の模様の数と中段のデザインに法則があります。
<答え>
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上下の模様の数が偶数なら中段は無地。奇数なら中段には白抜きの図形あり。
これに当てはまらない箇所が答えです。
