奇術の合言葉

「ようこそお越しくださいました。あなたの参加こそ、この舞台を開く鍵。さぁ、ショーを始めましょう。」

 シルクハットを被ったネズミが、スポットライトを浴びながら仰々しく語りかけてくる。老人は驚いて顔を上げた。いつもと変わらない自分の部屋。目の前の壁には拳ひとつ分ほどの穴が空いている。老人は這いつくばった両手に力を入れて、もう一度穴を覗き込んだ。



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